あらすじ
先祖が残した本を読むために南に向かって旅を続ける主人公のラゴス。
途中には集団移転(集団テレポート)を体験したりや銀鉱山の奴隷狩りに遭遇するなどたくさんな困難が待ち受ける。ひたすら旅を続けるラゴスの一生を綴った一冊。
評価
ちゃんとSFしている
私の中の筒井康隆って変な本ばかり書いているイメージがあります。
農協月へ行くとか精神異常者がひたすら笑っている短編(題名忘れた)とか。
それに比べてこの本はちゃんとしてる!ちゃんとSFしてる!調べてみるとたまにはそういう本も書いているみたいですね。時をかける少女とか。(筒井康隆が原作だったのか!)
そういうイメージがあったのになんでこの本を買ったんでしょうか?よく覚えていませんが、正しい選択でした。いい本書くじゃねーか。筒井さんよぉ!
探求する一生
ラゴスは西遊記のモデルとなった玄奘三蔵法師に近いイメージがあります。
西遊記は面白おかしく仕立てあげられていますが、ラゴスの旅はとてもストイックです。
知識を得る目的の前にはどんな誘惑にも負けません。ある国の国王になるチャンスもあったのに全く興味を示しません。
自分の求めるものを得るために一生をかけて旅をします。こんな芯の通った人生を送ってみたいもんです。ラゴスは尊敬できる男です。崇高な気分で読み終えることができました。
唯一の心残り
本を読んだラゴスは故郷に知識を持ち帰ります。それらの知識は産業革命前夜の故郷を揺り動かし、発展の軌道にのせます。
そのことに気がついたラゴスはもはや故郷でやり残したことはないとして再び旅に出ます。
その日から、わたしは再びデーデの思い出に浸るようになった。夢の中でも彼女に逢い、目醒めては切実にもう一度逢いたいと願った。
最後の旅の目的は以前の旅で出会ったデーデに再び会うこと。果たして彼は再会できたのでしょうか。
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