あらすじ

星から星へと移動しながら商売を行っている主人公のタフは、ひょんなことから生物戦争用の超巨大胚種船を手に入れる。この船には様々な星から集めた膨大な生物細胞のライブラリーとクローニング槽を備えており、どんな生物でも作り出せる。タフはこの船の能力を利用した商売に乗り出すが・・・。

評価 review_4

魅力的(不気味)な生物が盛りだくさん

SF小説というとワームホールやレーザー砲など物理満載のものが多いですが、この小説の場合は生き物がいっぱい出てきます。その点が新鮮でした。

タフの新しい船は地球連邦帝国環境エンジニアリング兵団という軍隊の船なんですが、ミサイルや爆弾ではなく船内で創りだした凶悪な生物を敵対する星に送り込んで攻撃します。

船を手に入れたタフは、訪問した星のニーズを満たす生物(動物、植物)を船内で創って売る商売を始めます。創りだす生物がとにかくユニークです。

例えば、過剰な人口により食糧難に陥りかけている星には、

  • 万頃穀:穀粒だけではなく茎や根も食べられる上、成長速度が極めて早い穀物
  • 雪小麦:凍てついたツンドラ地帯でも育つ小麦
  • ネプチューンのショール:海面3mに層を作り食物工場の原料となる

などを提供し、海からの謎の生物の襲撃に困っている星に対しては、その生物を攻撃する血吸うつぼ、斬鉄藻、瘤鮫といったおぞましい生物を提供するといった具合です。

タフはいろいろな星に行って商売をするのですが、星の住民が欲深かったりタフのコミュ障が原因でどれもすんなりと解決せず一悶着が起きます。タフはシニカルな態度を貫きますがもうちょっと商売上手になりなさいよと思う一冊。

とは言えなかなかおもしろい本です。2冊セットの本なので1冊目が気に入ったら2冊目を買うことをおすすめします。1冊目で登場するス=ウスラム(第二話パンと魚)の結末が2冊目に載っています。これがまたなんとも言えない結末なんですが。

↓公式のあらすじはAmazonで確認できます。