あらすじ

USロボット社が製造するロボットには、すべて人への安全性、命令への服従、自己防衛を目的とする ロボット三原則が適用されている。この三原則があればロボットはスムーズに動くはず。しかし、初期に製造されたロボットの中には不可解な行動をとるロボットがしばしば現れた。

そこでロボット心理学者のスーザン・キャルヴィンやロボットエンジニアのドノバンとパウエルは、三原則に反するように見える行動をとるロボットに対応する。

評価 review_3

ロボット三原則

われはロボットは、ロボット三原則を適用したロボットにまつわる短編を取りまとめた作品集です。SF小説が好きなら一度は読んでみておくべき作品かと思います。

ロボット三原則は、この「われはロボット」で初めて提唱されました。ロボット三原則とは、ロボットが従うべき基準として示されたものです。

  •  第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
  •  第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
  •  第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

なかなかエレガントな原則ですね。他のSF小説のみならず現実のロボット工学にも影響を与えたそうです。ロボット三原則についてはwikiに詳しく載っています。

ロボット工学三原則|ウィキペディア

三原則だけじゃうまくいかない

この三原則は本の冒頭で紹介されています。初めて読んだときはこの原則さえあればすべてが解決すると感じたのですがそうもいかないようです。3つ目の短編「堂々めぐり」では、三原則に従っているのにもかかわらず人間の意図とおりに動かないロボットの問題を取り上げています。

例えばロボットを危険な場所にある鉱物を採取させに行かせたところ、途中で立ち往生してしまいます。

「どんなふうになるのかわかるだろう、あのセレンのプールには何らかの危険が集中しているんだ。その危険は彼が近づくにつれて増大する、そしてある距離のところまでくると第三条のポテンシャルが、はじめから通常より高かったポテンシャルが、はじめから高かったポテンシャルが、はじめから通常より弱かった第二条のポテンシャルとぴったりバランスしてしまう。」

第二条の命令への服従と第三条の自己防衛が吊り合ってしまって身動きが取れなくなったということです。初期に作られたロボットということでスムーズに状況解決することができません。いかにも物事の初期段階にありそうな事態です。

われはロボットはロボットの黎明期を扱った小説ですが、その後のロボットの進化はアシモフの以降の作品(ファウンデーションシリーズやその他のロボット小説)に描かれています。アシモフの他の作品を読むのなら先にわれはロボットを読んでおくと「おっ!」と気がつく部分があってより楽しく読めると思います。

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