評価 review_4

日本を舞台とした警察ロボットSFです。

時代設定は現代ですが、我々の世界と違い、市街戦を想定して発達した特殊装備「機甲兵装」なるものが存在します。日本で現代という設定なので、SF感は若干薄めですが、しっかりとしたエンターテイメント小説として楽しく読めました。
作中では、3人のテロリストが機甲兵装「ホッブゴブリン」に搭乗して地下鉄駅に立てこもる事件を起こします。

この機甲兵装には、マニピュレーター(腕の部分)に専用アダプターを接続して重機関銃を装備しています。その他に、アミーナイフや鉄棒も装備できるので白兵戦も可能です。

そして、この機甲兵装による犯罪に対応するために設置された特殊セクションが、警視庁特捜部SIPD(ポリス・ドラグーン)です。特捜部SIPDの主要装備が龍騎兵(ドラグーン)です。搭乗者の経験と相まって高い能力を発揮します。ザクに対するガンダムといったところです。

全長3メートル。従来の機甲兵装と較べて一回りは小さい。さらに大きな違いは、その形状にある。無骨そのものの機甲兵装に対して、『龍騎兵(ドラグーン)』はまさに<人>であった。

腕先のマニュピレーターなどはその最たる部位で、人の掌、人の指を見事に再現したフォルムを有している。

第二種機甲兵装のはるか先を行く次世代機――誰しもがその優位性を直感せずにはいられない外観であった。

警察+人型兵器と言えば「機動警察パトレイバー」ですが、こちらの作品におちゃらけた要素はなく、ハードボイルドな雰囲気が漂っています。龍騎兵に搭乗する人物も、傭兵、元モスクワ民警、元テロリストと曲者ぞろいです。

チート性能を発揮する龍騎兵ですが、複数の機甲兵装が相手だとさすがに手こずります。

もはや限界だった――ノーマルモードでは。
姿が音声コードを口にする。「『ドラグ・オン』」
DRAG-ON――無論英語本来の意味ではない。シフト・チェンジの宣告。メカニズムと司令本部と己への。

こういう展開大好きです。もうダメだという瀬戸際で制約をハズしてさらに上に行く。ドラゴンボールの孫悟空が重い道着を脱いでのパワーアップやBLEACHの卍解などよくある手法なのですが、話に引き込まれていて、そんなことには全く気づきませんでした。

本書では、地下鉄駅に立てこもったテロリストの黒幕の正体や目的は明らかにならず、続編へのつながりを匂わせて終ります。作者の月村了衛は人気のアニメシナリオライターで、このへんのツボはしっかり抑えています。続編が楽しみでしょうがありません。

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